ICM(インディペンデント・チップ・モデル)

ICM(インディペンデント・チップ・モデル)は、トーナメントのチップを実際の賞金価値に換算する方法です。失うチップのほうが得るチップより重い理由がわかります。

ICM、つまりインディペンデント・チップ・モデルとは、トーナメントのチップスタックが賞金としてどれだけの価値を持つかを見積もる方法です。キャッシュゲームでは、すべてのチップは額面どおりの価値を持ちます。トーナメントではそうではありません。賞金はチップの量ではなく順位に応じて支払われるからです。ICMは、現在のスタックと残りの賞金構成を、各プレイヤーの期待賞金額に変換します。

モデルの仕組み

ICMはシンプルな仮定を一つ置きます。各プレイヤーが1位になる確率は、場にあるチップ全体に占めるそのプレイヤーの割合に等しい、というものです。次に、勝者を取り除いたと想定して残りのスタックで同じ計算を繰り返し、各プレイヤーが2位、3位……になる確率を求めます。各順位の確率にその賞金を掛けて合計すると、そのプレイヤーのICM価値が得られます。これは賞金プールにおけるそのプレイヤーのエクイティとよく呼ばれます。

具体例

3人のプレイヤーが残っています。賞金プールは1,000で、1位500、2位300、3位200が支払われます。場にあるチップは10,000です。

プレイヤーチップチップ比率ICM価値
A5,00050%約383.93
B3,00030%327.50
C2,00020%約288.57
合計10,000100%1,000.00

プレイヤーBの計算は次のとおりです。Bが1位になるのは30%です。Bが2位になるのは、Aが1位になりBがCに勝つ場合(50% × 3,000/5,000 = 30%)か、Cが1位になりBがAに勝つ場合(20% × 3,000/8,000 = 7.5%)で、合計37.5%です。残りの32.5%が3位です。したがってBの価値は 0.30 × 500 + 0.375 × 300 + 0.325 × 200 = 150 + 112.50 + 65 = 327.50 です。

Aはチップの50%を持っていながら賞金の約38%しか持たず、Cはチップの20%しか持たないのに賞金の約29%を持っていることに注目してください。最初にチップをすべて失ったプレイヤーでも200は受け取れるため、チップリーダーの余分なチップは額面より価値が低く、ショートスタックのチップは額面より価値が高くなるのです。

ICMが判断を変える理由

失うチップは、同じ枚数の得るチップよりも大きな賞金価値を奪うため、ICMはプレイヤーを場面によって慎重な方向へ導きます。

この効果はバブルとファイナルテーブルで最も強く、サテライトでは特に極端な形で現れます。

モデルの限界

ICMはスキル、席の位置、ブラインドの大きさ、将来のハンドを無視しています。あくまで近似ですが、際どいオールインの判断や公平なディールの提案を評価するには非常に役立ちます。

よくある質問

ポーカーのICMとは何の略ですか?

ICMはIndependent Chip Model(インディペンデント・チップ・モデル)の略で、トーナメントのチップスタックを賞金プールの期待取り分に換算する方法です。

キャッシュゲームでICMは関係ありますか?

ありません。キャッシュゲームでは各チップが額面どおりの価値を持つので、ICMが当てはまるのはトーナメントなど賞金構成が決まっているイベントだけです。

なぜチップリーダーのICM価値はチップ比率より低いのですか?

賞金は1位が上限で、残っているプレイヤー全員に最低でも残りの最低賞金が保証されているため、余分なチップほど得られる賞金価値が少なくなるからです。

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